くまもとソーシャルバンク

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建築についての学習会報告

 2009年6月13日に玉名市ちゃぶ台で、福祉の勉強会に続き、今回はソーシャルバンク副代表理事でもあり、松下生活研究所代表でもある松下修さんに建築についての話をしていただきました。

 松下さんは、1985年に建築設計事務所を設立した後、コンサルティング業も進められ、農林水産業の再生支援、自然素材・産地直送の顔の見える家づくり事業などのプロデュースをされています。自身の仕事だけではなく、他にも、パーマカルチャーネットワーク九州の代表理事を務める等、広い視点で、幅広く活動されています。※現在は設計事務所は止められています。

 建物を建てるには建築基準法や都市計画法、消防法等で土地利用を制限される場合があるようです。例えば、建築基準法における容積率では、その敷地に対してどれだけの規模まで建物を建てることが出来るかを表し(容積率=建物各階の床面積の合計(延べ床面積)÷敷地面積)、また、建ぺい率は、その敷地に対してどれだけの割合まで家を建てることが出来るかを表します(建ぺい率=建築面積÷敷地面積)。これらは用途地域の指定に応じてその上限が定められていて、この上限を超えて建築することは出来ません。容積率、建ぺい率の他にも、各種の斜線制限、高さ制限、日影規制等の制限があるようです。

 また、都市計画法上、市街化を意図的に抑制するため、市街化調整区域が定められており、このエリア(田、畑などがたくさんある農村地帯等)では開発・建築行為はできないことになっています(例外として、土地所有者の農家に限り、150平方メートル以内で、農業用施設であれば建てられる)。都市計画区域外の林地であれば確認申請もせずに、建てることも可能とのことでした(ただ、3,000平方メートル以上は開発行為にあたり、申請が必要になります)。

 実際に松下さんが手がけられた家の写真を見せてもらいましたが、古民家を改築しているものから、藁で作ったストロベイルハウス、廃材をあつめて夫婦二人だけでつくられた建物の例等、興味深い家が多くありました。素材も宮崎県諸塚村の産直木材を使い、壁も、土壁に自然素材の珪藻土を使ったり、或いは、藁の壁であったり、国産木材や自然に還るものを使われているところも魅力的です。

 松下さんの建築の話を聞き興味を持った私は、先日、新築中だった家を見に行って来ました。熊本の住宅街のため、まわりはほぼ全部が今どきの綺麗な新築だったのですが、その中にぽつんと「木」の家があり、人目を惹きます。中に入ってみると、木の匂いがしてとても心地よい空間でした。

 日本は国土の64%が森林という森林大国にも関わらず、木材の8割を海外からの輸入に頼っています。国産材が売れないということは、山を育て、管理していくためのお金が手に入らないということです。その結果、林業離れが進み、林業の後継者もいなくなり、森林は放置され、荒廃しているのが現状です。さらに間伐もされず日照不足になることから、土砂災害を防ぐ力も弱くなっているといいます。

 そんな問題を踏まえ、「顔の見える家づくり」として、松下さんは諸塚村の産直住宅プロジェクを始められ、林業の活性化、持続可能な社会づくりや農山村の自立的発展の社会システムを目指されてきました。山主は棟上時には顔を出し、共に施主と喜びをわかち合う。建て主は山に向い、山を見て村の取組みや森林文化や暮らしと出会う。都市部と山村の橋渡しもされてきたようです。
都市と農山村の繋がり、建て主と建てる側の繋がり。人と人の関わりの中でしか物事は動かず、その繋がりが明確でなければ、問題点も多くなるのだと思います。今でこそ食の安全が叫ばれ、地産地消が浸透してきていますが、それと同じように、家も顔の見える、地産地建を目指す人が増えればと思いました(井上沙織)。

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