くまもとソーシャルバンク

社会問題を解決する事業を応援するNPOバンク

「貸金業務取扱主任者」の研修を通して

◇必要な活動は何か?
~「貸金業務取扱主任者」の研修を通して~

 くまもとソーシャルバンクが融資活動を行う上で必要となる資格「貸金業務取扱主任者」を取得するために、2008年10月17日に大阪で開催された研修に土森と稲田が参加してきました。

 8月に研修の申込を行ってから研修の始まるまでの約2ヶ月間。貸金業務の研修テキストを読み進めながら、実際に融資を行う上で必要となる事務作業、貸倒れや組織解散などが発生したときの事務的な対応方法などを学びました。研修の最後には試験もあり、この試験に合格し、融資事業開始に向けた事務体制を整え、貸金業の登録ができる資金が集まれば融資事業ができるようになります。このまま順調に地域の社会的事業が活性化できる融資事業が開始できればよいのですが大きな問題もあります。

 現在、貸金業規制法は改正中の法律で、ヤミ金融対策強化や多重債務問題に対する取組みなどが強化されています。そのような状況下で、くまもとソーシャルバンクに大きな影響を与える気になるポイントが2つあります。

 それは「財産的基礎要件の引き上げ」と「指定信用情報機関制度の創設」です。

 まず「財産的基礎要件の引き上げ」についてですが、貸金業を始めるために必要な純資産が来年から2000万円以上(正式な開始時期は未定)になり、再来年以降には5000万円以上になります。そのため再来年以降は、出資金を5000万円集めなければ融資事業が開始できないことになりますが、これではNPOバンクを始めようとしても出資金を集めるだけで大変な年月を費やすことになり、本来求められている活動がすぐにできなくなってしまいます。

 この点については8月に実施した総会でも質疑がありましたが、「財産的基礎要件の引き上げ」については、すでに活躍している全国のNPOバンクと金融庁との話し合いなどによって対象外となりました。基本的には、組織が非営利であること、貸出目的の公益性や低金利であることなどに当てはまれば、NPOバンクとして純資産が500万円以上で融資事業を始められることになります。ひとまず、この件に関しては出資金を500万円集めれば条件はクリアできそうです。

 次に「指定信用情報機関制度の創設」についてですが、これは資金を貸出す相手が他の銀行などから借金をしていないかを調べる仕組みで、相手が過剰に借金をしないようにするための多重債務防止策のひとつとして実施されるものです。

 ただ、この仕組みを利用するには高額な費用が掛かることになり、この費用を賄うほどの収入を得ることは非営利であるNPOバンクの運営を揺るがすほどの厳しい問題となります。そのため現在、全国のNPOバンクが連携をとり金融庁との話し合いを行いながら、この制度についても対象外にするように求めています。

 くまもとソーシャルバンクが融資事業開始に向けて一番問題となっている点が、この「指定信用情報機関制度の創設」ですが、もしNPOバンクが対象外にならないのであれば、安定した運営を続けていくために、多くの支援や収益活動が必要になります。

 くまもとソーシャルバンクの理事やスタッフは、日々の忙しい合間の限られた時間を活用して活動しています。その限られた時間の中で可能な収益活動などを見つけないといけません。

 以上のように、今回の貸金業の研修や学習を通して、くまもとソーシャルバンクが直面する課題も明確になってきました。非営利であるがゆえに直面する問題も多いですが、非営利だからこそ既存の金融機関が補いきれない社会的な事業や活動に融資ができる面もあります。世界経済が不安定だからこそ必要になってくるNPOバンクの使命を、今後とも応援して頂ければ幸いです(稲田真也)。

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